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IKEAのLED電球、実はスゴかった! いろんな電球とガチンコ比較テストしてみた【後編】
各種電球を比較!
色温度の変化をわかりやすくするために、カメラの色温度設定は5500Kで固定。シャッタースピードだけを調整して、同じ明るさになるように撮影しました。電球の光量調整には可変式の調光器を使用。ではまず白熱電球から。
ウットリする美しさ・白熱電球
ご覧の通り、暗くしたときのほうが、色温度の低い赤っぽい光に変化しています。また、その変化は夕焼けがだんだんと赤くなっていくような自然なカーブで、調光の操作自体もちょっと心地いいんです。このなだらかで自然な色温度変化はフィラメントを使用する白熱電灯全般で共通していて、特にダウンライトなどに使われるハロゲン灯はうっとりする美しさです。
変化なし・東芝製LED電球
次に試したのは、東芝製のLED電球「キレイ色」。上下でほぼ変化していないことがわかります。ちなみに、人間の目は色温度の変化に対しての補正幅が広く、多少変化しても「白く」感じる傾向が強い一方、カメラはかなり正直で、僅かな色温度の違いでもはっきりと現れます。
変化量少なめだけど自然体・IKEA電球
大本命のIKEA電球。電球ほどの違いはありませんが、暗くすると色温度は低く変わっていきます。特筆すべきはその変化の自然さ。けっこう電球に近い感覚なんです。もう一つのポイントが「配光」。この電球はカバー全体で光を拡散させているため、東芝製と比較して影の出方がよりソフトになっているのがわかります。
ただし、下部に放熱部を設けていないため、寿命は短いのかもしれません。また、明るさは白熱電球の48Wに相当する86lm(ルーメン)/wと、少し暗め。他方、パッケージを見ると、演色性はCRI90という優秀な数字が書かれています。そこで、演色性のテストも行ってみることにしました。
演色性が高い=正しい色が見れる
演色性とは、読んで字のごとく、色を演出する性能です。国内ではRaという値で示され、概ね80以上だと「高演色タイプ」と呼ばれているようです。太陽光と電球はRa100、最も低いのがトンネル内に使われている低圧ナトリウムランプで、その値はほぼRa0に近いそうです。
たとえばトンネル内で花を撮影すると、たぶんこんな感じ(再現)。ついでに、様々な光に含まれている色の量を示したグラフを見てみましょう。
(出展:スガツネ工業 https://www.sugatsune.co.jp/technology/illumi-l.php)
Ra値が高く、かつ色のバランスがいい(=太陽光に近い)光源ほど、青々とした野菜や真っ赤な果実、繊細な花の色を正しく見分けることができるのです。LEDは青い光源を黄色の蛍光体に透過させて白い光を取り出すしくみなので、グラフに青の強いピークが見られます。これが「ブルーライト」で、「疲れ目」や「不眠」の原因になると指摘されています。
おまたせしました。各種電球の演色性をcheck!
また前置きが長くなりましたが、各種光源の演色性を比較した結果を発表します。今度は演色性の違いだけを見るために、色温度と明るさが均一になるように調整しています。
①太陽光の撮影時は、どんより曇り空だったため、紫外線の多い状況でした。左下のピンクのつつじが①太陽光と⑤蛍光灯で鮮やかなのは、紫外線の影響と見られます。
白熱電球とLED電球の比較では、水色のアジサイで色の違いが見られます。②白熱電球は紫寄りの青なのに対して、③と④のLED光源ではやや青が強く出ています。
ともにRa90の③東芝LED電球と④IKEA電球では、発色の差はほとんど見られません。
過去にもっと厳密な条件でLED電球を比較テストしたことがありますが、「高演色」タイプのLED電球はスペック上の演色性に差があっても、人間の目では感知できないレベル。どれもきれいな発色を示していました。電球との大きな差はブルーライトの有無ですが、それも写真に撮って見比べないと気が付きません。個人的な見解ですが、光源の微妙な品質差は「なんか心地良い」とか「なんとなく目が覚める」といった、長時間その光源下で過ごしてみてわかる感覚となって現れるのではないか、と考えています。
結論:IKEAのLED電球はスペック通りの実力派
今回行った2つのテストで判明したのは、IKEAのLED電球は確かに優秀ということ。仕様は様々あるので、お買い求めの際は「色温度の変化」「演色性」「明るさ」をチェックしてみてください。
また、花をいちばん美しく撮れる人工光は、ナカヤマ的にはバランスの良い発色の白熱電球でした。鮮やかに撮るのなら、あえて曇天の光に近い蛍光灯を使うのもアリでしょう。
ぜひ、LED電球選びのご参考としてください。
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