『土間で暮らす』ーお気に入りだけに囲まれた、丁寧な毎日
S様と初めてお会いしたのは、昨年2018年のリノベーションEXPOでのこと。「リノベーションはしたいけれど、まだ漠然としていた」と奥様は当時を振り返ります。ブース出展していた当社の前を通り掛かり、設計担当に話しかけられたことがきっかけだったそう。もともとお住まいだったマンションのお宅を、奥様が思い描いていた空間へ一新するリノベーション計画をスタートすることに。空間のコンセプトは「床のモルタルのグレーと白を基調にしたモノトーンのシンプルな空間+アンティークの丁寧に使われた深みのある素材(ちょっと木を入れる感じ)」。イメージに合うアンティークドアや風合いのある素材を、ご予算に合わせてご提案しました。塗装壁の雰囲気を出すよう、エコフリースの壁紙を採用。キッチンはキャビネット部分にIKEAを採用していますが、引き出しの前板はナラ材にケガキ+白塗装拭き取り加工を施し、深みのある風合いへ寄せています。
メインの生活空間を土間にしてしまう発想
2LDKだった間取りの和室部分をLDKに取り込み、広い生活空間へ変えて、玄関・廊下・トイレからLDKまで床面を全てをモールテックス塗りで土間にしました。「京都のとあるカフェをイメージ、三角アーチの開口など写真を撮るため映えることも意識している」とお話しされていました。
三角アーチをくぐると、一段の段差を上げ、ここは唯一S様邸のフローリングエリアとなります。洋服や布団、お子様のおもちゃなど、生活用具は全てここへ収納し、ファミリーの寝室として使用されています。
S様のお宅は、厳選されたモノだけが存在し、無駄なモノは一切ありません。全てのモノに指定席があり「家族のみんなが同じようにモノを出し入れできるよう心がけています」と、収納のこだわりをお話しくださいました。S様邸にはTVが見当たりません(笑)。かと言って、TVを見ない訳ではないそうで、寝室にあるMacでTVを楽しまれているとのことです。和室部分にあった掃き出し窓は、フカし壁とアンティークドアで目隠し。アンティークドアを開けば、従来通りバルコニーへ出入りが可能です。三角アーチが空間に遊び心を、一点モノのアンティークドアが特別感をもたらしています。
季節は夏。お引き渡し後間も無く撮影にお邪魔すると、まるでSHOPのようなインテリアで設えられたS様邸では、モルタル床で素足で過ごす斬新なライフスタイルを撮影させていただきました。スワッグやティピーテントの小物も手作り。普段は、お子様とお菓子作りやお絵描きをして過ごすことが多いそうで、毎日の暮らしが丁寧に、モノが少なく時間にゆとりを感じる素敵なお住まいでした。
RENOVATION PLAN
DATA
施工主 |
杉並区S邸 |
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物件種別 |
中古マンション |
築年数 |
23年 |
施工面積 |
43.32㎡ |
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施工期間 |
約2ヶ月 |
家族構成 |
夫婦+ 子供二人 |
工事箇所 |
玄関・廊下・トイレ・LDK・寝室 |
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工事費 |
694万円 |
物件番号 |
105 |