『Soft White, Gentle Wood』-余白を楽しむ住まい
お子様が生まれたことをきっかけにリノベーションを検討されたW様。中古物件の購入時はフルリノベーションを視野に入れていたため、立地の眺望を優先して様々なエリアを見学し今回の物件と出会った。ご購入後に会社選定をする中で、ご自宅と空間社までが近く、以前から気になっていた!ということからお問合せを頂いた。
リノベーションのコンセプトは、空間の中に少し余白を残すこと。
家具を配置するというよりも、空間に合わせて収納を造作し空間に一体感を出すことを大切にしました。すべてを詰め込みすぎず、これからの暮らしに広がりを与えてくれるような、そんな空間を目指しました。
間取りは制約がある中でも、各部屋に必要な広さや機能がしっかり確保できるよう丁寧に検討していきました。LDKは既存の和室も取り入れることで間口も広い開放的な空間となりました。
同じ職場に勤めるお二人は、在宅勤務の増加にあわせてワークスペースも共有できるように計画。リビングから書斎へつながるように計画したことで、日々の生活の延長に“こもれる空間”が生まれました。明るく広がりのある空間を通って書斎へ向かえるため、気持ちの切り替えも自然に行えるようになっています。当初はお二人が並んで使えるワークススペースを検討していましたが、ご主人はこもれる書斎で、奥様はコンパクトなテーブルで気分に合わせて場所を変えながらお仕事をされています。
暮らしの変化に自然と寄り添う、柔らかさがあるのも魅力です。
素材で調和を描く、空間のアクセント
仕上げのイメージは、ご主人は白やグレーでクリーンな雰囲気がお好みで、奥様はスッキリでありながらも優しい木目などをプラスした雰囲気をご希望されていました。床材はカーペットにする必要があり、木目の柔らかい印象をどこにいれるかをたくさん吟味して検討した場所は、リビングから出入する書斎の壁一面にアメリカンチェリーを使って計画することに。
壁面のデザインに扉が馴染むよう、建具枠や丁番などのディテールを工夫し、壁の一部として溶け込むようにデザインしました。ハンドルも全体のバランスに馴染むよう、握りやすさとサイズ感にこだわりながら、空間全体の素材感や印象に調和するよう一つ一つ丁寧に選定しています。
リビングとキッチンの間にすっと佇む、ホワイトのカウンター。
メラミン化粧板で端正な面構成で、空間に静かに寄り添うような“塊”として設計しました。キッチン側からは引き出し収納として、日々使う器や備蓄品がしっかりと収まる、頼もしい存在です。
壁付けキッチンで悩みやすいのが、家電製品や冷蔵庫の置き場。W様邸では間仕切り壁を設けることで、冷蔵庫をLD側から見えにくくし、空間全体をすっきりと見せるよう計画しました。
キッチン側からは振り返るだけでアクセスできるため、動線も快適です。クランクした壁面も余さず活用し、カウンター上にはケトルなどの小型家電を配置。下部はゴミ箱スペースとして使えるよう設計しました。家電スペースにまでタイルを貼ることで、機能性だけでなく、日々の家事がちょっと楽しくなるような仕上がりにしています。
ダイニング側には、腰高の収納カウンターを造作しました。天板には継ぎ目のないモールテックスを採用し、一体感のある美しい仕上がりに。
当初は梁まで届く収納も検討していましたが、「収納は必要最低限で良さそう」とのご希望から、今のすっきりとした形に。コンセントの位置も使いやすさと見た目のバランスを大切にしながら、ぎりぎりまで高さを調整しました。今ではカウンターの上にお子様の作品や小物が可愛らしく並び、日常の景色がふと愛おしく感じられる空間になっています。
「箱に収まる暮らし」から、「想いをかたちにする住まい」へ。
住まいを持ち、自分たちで空間をつくるようになってからは、欲しいもの・見たいものが明確になったと話して下さったのがとても印象に残っています。
納得のいくものをひとつひとつ丁寧に選んでいく時間そのものが、住まいづくりの楽しさになっているようです。
今ではお家に人が集まり、お父様から手づくりのカホンを贈られるなど、思いがけないつながりも生まれ、これからも少しずつ育っていくようです。
RENOVATION PLAN

DATA
施工主 |
調布市W邸 |
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物件種別 |
中古マンション |
築年数 |
51 |
施工面積 |
85.80㎡ |
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施工期間 |
約3.5ヶ月 |
家族構成 |
夫婦+子供1人 |
工事箇所 |
全面 |
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工事費 |
全面 |
備考欄 |
1,482万円 |
物件番号 |
141 |
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