『SWEET』ー海外のような間仕切り壁のある住まい
書籍「心地いいわが家のつくり方」(主婦の友社)を見て、リノベーションをするなら空間社にお願いしたい!と思って下さっていたN様。物件探しは1年かけて探され、レトロな雰囲気のあるリノベーション済みマンションの物件を購入しお問合せをいただきました。
住まいづくりで希望されたのは「猫も安心してゆっくり過ごせる住まい」と「読書がより楽しくなる空間づくり」。N様は保護猫を預かる活動を4‐5年程継続されていて、今までに約10頭と過ごされてきました。保護猫を飼うために必要な猫脱走防止対策と「食事は猫が入らないスペースでしたい」というご要望からキッチンを独立させることに。
購入された物件はリノベーション済み物件ということもあり、水回りは既存を活かし猫対策の造作扉を好みのスタイルにすることをメインとした部分リノベーションを計画しました。
私も猫も好きな時間に好きな場所で過ごせる空間に
キッチン本体はリノベーション済みであることから設備も新しいため既存を利用。間取りを少し変更することによって、キッチン奥に家電置き場やそれぞれの食品関係、掃除機までも収納できるスペースとしてパントリーを配置。収納するだけのスペースでなく、パントリーと兼用でダイニングスペースも確保して、猫が入らない食事スペースを計画しました。キッチンとパントリーはリビングと独立させ、その間仕切り壁を框デザインで造作。出入りできるよう引き戸にし、猫だけになってしまう不在時は、中へ入れないように鍵付き仕様としました。引き戸を開け放った時には間仕切り壁と框のデザインが揃うようにデザイン。框のデザインは玄関の脱走防止用の扉と合わせるようにシンプルなディテールがポイントです。
掃き出し窓や玄関扉の前には猫脱走防止対策が必要なため、玄関の扉は既存の廊下を無くしたプランへ変更し、扉を透明ガラスにすることで玄関周りの空間に光を取り入れられるようにしました。玄関の靴箱も既存のトール収納からフロートタイプへ変更し、カウンターには好きなものが置くことができ、ガラス製ペンダントライトが玄関を優しく包みます。
ハンドルやつまみは真鍮に統一し、玄関の床材はヨーロッパの明るい石畳のようなエイジングタイルを選定。玄関扉を開けた時に猫がお出迎えしてくれる日は一日の疲れも吹き飛びます。
お仕事柄たくさんの本をお持ちのため、読書の時間を色々な姿勢・空間で過ごせるように、「リビングはソファでゆったり明るく開放的な場所」と「ヌック空間はこもって落ち着いた場所」の2つの特別な空間を提案し、計画を進めました。
ヌックのベンチでは、それぞれがくつろいだり座ったり、アーチ開口部はスイートのためのおこもり空間を製作しました。ベンチの下は座面が開閉式の内部収納になっており、猫用グッズを収納しています。ゲストが遊びに来たときには、荷物置きとしても大活躍する多機能スペースです。
素材は自然素材と愛着にこだわった
既存設備を活かしつつ、仕上げは自然素材を選定。グレーやマットなホワイトをベースに、家具やカウンターを木製の素材でプラスしていきました。素材や質感は実際にショールームへ足を運び、「これだ!」というものを一つずつ丁寧に検討。壁と天井の仕上げは、自然素材のオガファーザーを選定。塗装はDIYでご自身で手を加え「DIYは大変でした!」とお話しされていましたが、お住まいへの愛着はひとしおです。
照明やテキスタイルは、エスニックテイストをメインにグリーンが映えるお部屋に。猫のスイートちゃんは出窓が一番のお気に入り。一日のルーティーンがあるようで、朝は出窓ーお昼頃はダイニングテーブルの下ー夕方になるとヌックベンチへと好きな場所に移動しているそう。好きな時間に好きな空間で過ごせる、ゆったりとした時間が流れるお住まいです。
RENOVATION PLAN

DATA
施工主 |
川崎市N邸 |
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物件種別 |
中古マンション |
築年数 |
41 |
施工面積 |
34.6㎡ |
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施工期間 |
約2ヶ月半 |
家族構成 |
単身+猫 |
工事箇所 |
玄関、LD+図書スペース、ヌック |
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物件番号 |
140 |