『ハナミズキ』 ― シンボルツリーを受け継ぐ家
築29年、大切に住まわれてきた邸宅
以前より社宅で近隣(国立市)にお住まいだったA様は、住み心地良く慣れ親しんだ土地で新たな住まいを探されていました。同行内覧により、工事内容のアドバイス共に工事費用を把握していただきながら、スムーズに物件のご購入と空間社での工事を決めてくださいました。出会ったご物件は、和室や日本風の庭があり、もともとの設えも魅力的な築29年の家。以前お住まいだった方が丁寧に住んでいた様子がうかがえます。
「リビングの既存無垢フローリングや建具などは味わいも出ていて、むしろそのまま使いたい。」そういったご要望をもとに、受け継いだA様が住みやすいようバージョンアップするリノベーション計画を進めました。
LDKを広くして、家族4人が楽しく暮らせる家を
最大のご要望は「リビング、ダイニング、キッチンが分断されていたのを一続きにしたい。」というものでした。冷暖房効果を高めるために取り付けられていたダイニングの間仕切りを取り払い、柱を一部移設。梁補強することで大空間のLDKとなりました。また、断熱効果を高めるため壁に断熱材を入れて、北側のダイニングキッチンには床暖房を新設し、タイル貼りへ変更しました。
海外生活が長ったA様のお宅には、以前から使用していた大切な大きな家具が多く、それらも馴染むようプランしました。以前から使っていたキッチンカウンターも引き続き使用し、トムディクソンのペンダントライトを合わせ、ダイニングとキッチンの間を緩く仕切っています。また既存状態でダイニングに造り付けてあった食器棚も、丁寧に作られた味わいのある家具でした。取っ手金物を変え、色をブルーグレーに塗装し部屋のアクセントとして引き継いでいます。
キッチンは転勤先でもIKEAのものを使っていたことから、今回も再びIKEAでご提案。大型の食洗機を入れたいとのご希望で、ガゲナウの食洗機をビルトインしています。
リビングとテラスに一体感を持たせたい。
都心から離れた閑静な住宅地で敷地に余裕があり庭の樹木が気持ち良いこと、もともと家の持つポテンシャルが高く、落ち着いた別荘にいるような感覚になる住まいでした。中庭には、リビングと一体に使えるように床の高さを合わせてウッドデッキを新設しました。以前に住んでいた方が育ててきたハナミズキがちょうどよい木陰を造るとともに、シンボルツリーとなりました。
既存利用を予算配分の要に
家全体の面積が広いため、どこに費用を使い、どこを既存利用とするかの判断が大事でした。1階のLDKは家族が集う時間が長いので断熱効果を高めることにも予算を割き、内装のインテリアは活かせるところは活かして新設部との差異が目立たないように配慮しながらメリハリをつけた予算配分を意識しました。個室は壁紙の変更程度にし、3室ある和室もほぼ手を入れず和室の良さを活かして上手く使っています。
お引っ越し後は、暖炉を設けるなど「今後も自分たちに合った家に手を入れていく予定です。」とA様。テラスは、季節の良い時期にはBBQを楽しんで活躍しているそうです。
RENOVATION PLAN
DATA
施工主 |
国立市A邸 |
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物件種別 |
戸建てリノベーション |
築年数 |
29年 |
施工面積 |
1階85.26㎡ / 2階44.05㎡ / 3階9.80㎡ |
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施工期間 |
3.0ヶ月 |
家族構成 |
夫婦+子ども2人 |
工事箇所 |
1階、2階、3階、テラス、一部外構 |
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工事費 |
1690万円 |
備考欄 |
断熱改修工事 |
物件番号 |
94 |
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