心を灯す、素敵な電球コレクション ~2016 Winter~(後編) | 東京のリノベーション会社・空間社のマガジン

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心を灯す、素敵な電球コレクション ~2016 Winter~(後編)

4.後藤照明 浪漫球(真空製法)
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希望小売価格:¥920 + 税
●口金:E26 ●定格電圧/消費電力:100V/40W ●寸法:W50φ×H90mm ●明るさ:-

メイドインジャパンにこだわり、職人による伝統的な製法で
照明器具を作り続ける後藤照明の電球。
エジソン電球ではありませんが、小さくぼってりした可愛らしいフォルムは
他にはない魅力です。特に、同社の乳白色のガラスシェードと組み合わせたときに
生み出される、柔らかさと硬さを併せ持つ光の美しさといったらありません。

フィラメントは現代的なタングステンで、明るさも一般的な40W電球そのもの。
小径のクリア球だけあって影をくっきりと落とすので、我が家では
竹シェードの照明器具に取り付けて室内に陰影を演出するのに使っています。

5.only one “Shiphon(サイフォン)”
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希望小売価格:¥5,000 + 税
●口金:E26 ●定格電圧/消費電力:100V/5W ●寸法:W65φ×H145mm ●明るさ:400lm

いまでこそ国内外様々なメーカーから発売されている
エジソン電球型LED電球ですが、こちらが正真正銘の元祖。
「ダサいLEDは終わりにしよう」というキャッチフレーズで商品開発、
クラウドファンディングで資金を募ったところ、162万円の目標資金を
あっという間に達成するばかりか、最終的に1560万円が集まったという
伝説を残した製品です。

「サイフォン」というネーミングには、
「コーヒーを淹れる際、こだわってサイフォン式を選択するように、
LED電球を選ぶときにもこだわって選べるデザインの商品を作りたい」
との開発者の想いが込められています。

その特長はなんといってもフィラメントを模したLEDチップの固定法にあります。
プリント基板にはんだ付けされているのが当たり前だったものを、
白熱電球と同じようなステム構造を採用。よく観察すると発光部は
ガラスの根元部分の径よりも大きく、ボトルシップのような難しい
作り方がされていることを伺わせます。

明るさは400ルーメンとほぼ40W型相当で、十分実用的です。
ただし、すべてのLED電球と同様、赤外線をほとんど発しないため
実際に使ってみると白熱電球のような「肌で感じるじんわりした暖かさ」はなく、
温かい色の光なのにどこかクールな感覚があります。
また、演色性がRa80と白熱電球や高演色タイプのLED電球と比べて劣るため、
食卓に使うとカラフルな野菜の彩りなどは感じにくくなります。

とはいえデザイン、実用に足る光量、安心の国内メーカー製という意味で、
とても優れた商品だと思います。

6.東芝写真電球 引伸用
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希望小売価格:廃番
●口金:E26 ●定格電圧/消費電力:100V/150W ●寸法:W-φ×H-mm ●明るさ:-

かつて東芝電池が製造していた、フィルム写真を印画紙に
焼き付ける引伸機のための電球です。短時間で印画紙に画像を
焼き付けるために150Wとかなり明るい仕様で、ムラのないソフトな
光にするために独特の形状と濃いフロストガラスを採用しています。
ペンダント照明に使ってみると、まるで真昼の日光に照らされているような明るさと色温度。
曇った気分をスカッと晴らしてくれるようなパワフルな灯りです。

●まとめ 消えゆく白熱電球
日本の大手電機メーカーは国の省エネ政策に基づいて、
自主規制として、ほぼすべての家庭向け白熱電球の生産を完了させました。
白熱電球が入手しにくくなるのは寂しい限りですが、一方で明るい話題もあります。

それはLED電球を手がけるメーカー各社が、ただ低発熱・高効率というだけでなく、
人が本能的に心地よく感じる「太陽の光」に一歩でも近づこうと、
演色性の向上やブルーライトを低減させた製品の開発を競っていることです。

電球の原点・エジソン電球が持つ、心を灯すような温かみのある光や個性的なデザイン
の魅力が、これからの時代の照明にも受け継がれていくことを願って止みません。

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