『無印な住まい』 ― 家具を部屋に溶け込ませて
シンプルなハコだから、自分らしさを詰め込める。
ここでご紹介するのは、そんな「無印良品」の考え方にトリビュートしたリノベーション事例です。
小学生のお子さまがいる3人家族のNさまご一家。7年ほど暮らした築16年のマンションは、そろそろ設備がくたびれていました。そして床暖房が故障したとき、それまでお持ちだった『もっと自分らしい住まいにしたい』という思いが表出。単なる修理や設備更新とは異なる、リノベーションをご依頼いただきました。
ご主人の仕事はアパレル関係で、衣類や靴を多く所有。しかし、それまでの間取りでは慢性的に収納容量が不足し、ストレスを感じていたそうです。奥様にも、従来から生活空間に取り入れていた無印良品の家具や収納をもっと活かしたい、という思いがありました。
素材感を合わせて、"無印サイズ" で各所を造作
設計では高級さや装飾性を求めるのではなく、"生成りの素材感のよさ" や "シンプルに優れた機能性" を追求しました。
例えば、リビングの壁一面に配した「スタッキングシェルフ」。この製品はモジュールを組み合わせて様々な機能をもたせられる棚で、N様邸ではテレビボードと本棚の役割を果たします。さらに、様々用意されているオプションパーツを組み合わせて、こまごました日用品を効率よく収められる引出し収納にも。
キッチンには、「MUIJI+KITCHEN」(サンワカンパニー製)を採用。その対面には、素材感を合わせたタモ集成材のカウンターを製作しました。このカウンターはダイニングテーブルと収納を兼ねていて、ハイスツールを並べて家族で食事をとることができます。
ほかにもリビング収納、ウォークイン・クローゼット、洗面・脱衣室など、造作で作る部分を徹底して "MUJIサイズ" に統一したことで、同社の用意する多種多様の家具や収納商品がフィットする住まいが完成しました。
家具と家の、自然体な関係
かねてから多くの無印良品の商品を生活に取り入れてきたNさま。お引越し後の使いこなしも流石で、家と家具・収納が一体を成しているような自然さを感じます。
リノベーション後の住まいは快適で居心地がよく、『休日はほとんど家の中で過ごすようになりました』とNさま。使い勝手のいいキッチンカウンターのおかげでダイニングテーブルに割いていたスペースが自由になり、従来は置くことのできなかった大きなソファーセットでゆったりとくつろぐ毎日だそうです。
シンプルなハコは、必要に応じて再編集できるという汎用性を持ちます。これから家族の成長とともに変化していくであろう住空間へのニーズを、柔軟に受け止める器の広さ。それが、住まいにおける "無印" なのかもしれません。
RENOVATION PLAN

DATA
施工主 |
新宿区N邸 |
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物件種別 |
中古マンション |
築年数 |
16年 |
施工面積 |
66.48㎡ |
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施工期間 |
3.0ヶ月 |
家族構成 |
夫婦+長男 |
工事箇所 |
全面 |
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工事費 |
880万円 |
物件番号 |
91 |